◎◎さん

○○大学4年生 春休みの自主的な実習(PCFM外)実習期間3日間

 

3学期の講義中に「家庭医」という言葉を聞いた時、正直言って「そんな<何でも屋>みたいな医者が存在するのだろうか?存在したとしても実際は広く浅くになってしまって本当に地域の人々の役に立つのだろうか?」という気持ちがありました。でも、私は大学病院や大きな病院でありがちな検査結果ばかり追う医者や「病気」をみる医者にはなりたくないと思っているので「家庭医が存在するならこの目で見てみよう」と思い、この実習に参加することにしました。

 

実際、松下先生や原田先生について診療の様子を見学させてもらって「これだ!!!」と思いました。10-20分という短い時間なのに、話を聞いてもらった患者さんはみな満足な顔をして部屋を出て行きます。先生方も必要な情報はきちんと聞いたうえで、さらに共感を示してあげていました。3・4年生で学んだ医療面接がここに生かされているんだとすごく感じました。

 

また、本当に「何でも屋」の役割をきちんと果たしていることがわかりました。整形外科的疾患、耳鼻科的疾患、皮膚科的疾患・・・大学病院、総合病院では「あとは各科に回って下さい」というような疾患でも先生方はきちんと対処しておられました。

最初「全てのことを把握していないとできない・・・ということはめちゃめちゃ大変だ」と思ったんですが、原田先生に「頻度の多い順、常識的な疾患をおさえておけば何とかなる」と言われすごく納得できたし、もし自分が将来開業するのであれば、ここでの研修は必須だと思いました。

 

私自身、まだ将来についてはっきりとした考えは持っていないのですが、ここでの実習はすごく意義のあるものだったと思います。こんなことを書くのは少し気が引けるのですが、私は開業医に対してよいイメージを持っていませんでした。何か「ちゃちゃっと見て薬を渡してハイおしまい・・・」みたいな、浅ーく、広ーく、無難な・・・というイメージが強かったのです。でも、ここで実習してみて決して浅くではないということを感じました。先生方と一人一人の患者さんの関係がすごく深いのです。何か漠然とではありますが、先生方は患者さん一人一人の人生を診ているんだなあと思いました。そして、そのことは私にとってとても魅力的なことに思えました。5年生になり、ポリクリが始まるとひとつひとつの科を専門的に勉強することになりますが、決してファミクリのことを忘れず、自分の興味のるものを見つけていこうと思います。

 

最後になりましたが、松下先生、原田先生、看護士さん、事務の方々、本当にありがとうございました。まだまだ何も分かっていない私たちがうろちょろするのは邪魔でしかなかったかもしれませんが、2年後にはしっかりした医師になり、またいつかここに来たいと思っています。ありがとうございました。